「美味しんぼ」で「福島の真実編」として福島第1原発を訪れた主人公が原因不明の鼻血を出すという描写に関して各所で騒がれていますが、これに関してダウンタウンの松本人志が持論を述べています。
松本は「美味しんぼ」の描写に非難が相次いでいることについて、「最近、すぐみんな抗議する」と近年の風潮に広げて話題を展開。政治への抗議は当然としな がらも、この件については「作品やから。みんなで作るもんじゃない。作者のものであって、周りが抗議したって…外部の人間がストーリーを変えろとかいうの は、ちゃんちゃらおかしい」と批判によって作品の内容を変えようとすることへの疑問を呈した。
自身も映画監督として活躍しているだけに「これに関しては漫画家さんが神、映画に関しては映画監督が神なんですよ」と芸術作品は作者の側に“表現の自由”があると主張。「周りがごちょごちょ言って変えろとか言うのは神への冒とく」と続けた。
今回の件に関して美味しんぼの原作者である雁屋氏が取材後、鼻血や倦怠感を感じたことが元になっているようですが、科学的には根拠がないようです。
こうした雁屋氏の体験について、放射線防護学が専門の日本大学准教授・野口邦和氏はこう反論する。
「放射線被曝が原因なら全身が被曝しているわけだから、鼻血だけの出血では収まらない。もし非常に高い線量の放射線を一度に被曝した場合には、『急性放射線症』が考えられます。血液細胞を作る骨髄に障害が起きて、血小板などが減少して出血が止まらなくなることがある。ただ、最低でも500ミリシーベ ルト以上被曝していなければその症状は出ないし、震災後、急性放射線症が出るような線量の放射線を被曝した一般住民はいません。原発作業者の中でも鼻血の 情報は聞いたことがない」
雁屋氏がどのくらいの放射線量を浴びたのか、記事の中で数値は公表されていない。倦怠感の悩みについても、前出の野口氏はこう説明する。
「倦怠感は放射能ではなく、ストレスが原因。一瞬にして震災で家族や知人を亡くした人や、想像を絶する町の様子に無気力になる人がいても不思議ではない」
松本さんの言うように作品は作成した作者のもの、表現の自由ってのはわかるけど、今回の件は明らかに今の福島の状況を誤解され、風評被害が起こることが問題であって何か論点がズレてる気がしますね。
美味しんぼ好きだし、作品の中で問題提起を与えるのはいいけど、今回のような偏見を与えるようなのはどうかなと思います。